USBメモリを使っていると、たまに転送速度がいつもより遅くなったように感じることがあります。
だいたいの場合は、同じ容量でも転送するデータの種類、ファイルの数によっても転送速度が、変わることが原因だと思われます。そういった場合、基本的に問題はありません。
他のデータを移動すると恐らく以前の転送速度と同じだと体感できるでしょう。
しかし、まれに、どのデータを転送しても以前より明らかに転送速度が遅くなったと感じることがあるかもしれません。
その場合、USBメモリに何らかの不具合が起きている可能性があります。
この間、まさしくそういう場面に遭遇しました。
購入してから3ヶ月ほどしかたっていないUSBメモリが、ある日を境に、いきなり転送速度が遅くなりました。
具体的に説明すると、読み込み速度(Read)は、変わらないのですが、書き込み速度(Write)が非常に低下しました。
今回の記事では、USBメモリの転送速度が遅くなったときの原因と直す方法はあるのか?について書いてみたいと思います。
目次
まずは、USBメモリの速度を測定してみよう!
本当にUSBメモリの転送速度が遅くなったのか?それともたまたま転送に時間のかかるファイルだったのか?
実際にUSBメモリの書き込み速度、読み込み速度を測定してみるとはっきりします。
USBメモリの速度を測定するには、有名なフリーソフトCrystalDiskMark(クリスタルディスクマーク)がおすすめです!
開発者は、hiyohiyo(ひよひよ)様です!
非常に有名なソフトなので、PCにある程度、詳しい方は、すでにご存知だと思います。
ちなみに以下が公式サイトになります。ダウンロードもできます。
https://crystalmark.info/ja/software/crystaldiskmark/
使い方は、簡単ですが、詳しく知りたい方は、公式サイトを見たり、ネットで検索してみて下さい。
※何度もUSBメモリの速度を測定するのは、あまりお勧めしません。速度の測定は、USBメモリに若干の負荷をかけているためです。
公式サイトにも、ベンチマークを実行することでSSDやUSBメモリの寿命を縮める可能性があると書かれています。
USBメモリの速度を測定したら
USBメモリの転送速度は、製品によってかなり違いがあります。そのため、USBメモリの購入時に転送速度を測定したことのない方は、自分の持っているUSBメモリのだいたいの速さがわからないと思います。
そういう場合、比較的最近の商品であれば、Amazonや価格ドットコムなどで検索して商品レビューを見ると、実際に購入した方のUSBメモリの速度を測定した数値を見ることができる場合もあります。
かなり古いUSBメモリの場合は、上記のサイトのレビューで、書かれている速度を参考にしてみるといいかもしれません。自分の持っているUSBメモリが、スタンダードタイプの場合は、スタンダードタイプの測定値を、高速モデルの場合は高速モデルの測定値などを参考にしてみるといいでしょう。
上記のサイトなどで調べたUSBメモリの速度と比べてあまりにも速度が遅い場合は、USBメモリに論理的な不具合が起きていたり、物理的に故障しかけている可能性があります。
※もし、不具合が致命的だと感じている場合は、大事なデータをバックアップしておくことをおすすめします。
USBメモリの速度を速くする一般的な方法
まずは、一般的なUSBメモリの速度の改善方法から紹介します。
一般的な方法なので、この方法は、現在正常に動作しているUSBメモリにも効果がある可能性があります。
※劇的に速くなるわけではありません。若干速度が改善される可能性があります。
●USBメモリの取り外しポリシーで「高パフォーマンス」にチェックを入れる
方法は以下のようになります
1、タスクバーにあるスタートボタン(Windowsのロゴ)の上で右クリックします。以下の図の場所で右クリックします。
2、スタートボタンの上で右クリックしたら新しく開いたメニューの中の「デバイスマネージャー」をクリックします。
3、デバイスマネージャーの一覧表示画面が開いたら、その中にある「ディスクドライブ」の左にある「>」をクリックして展開します。
4、ディスクドライブの項目を展開したら、その中から設定を変更したいUSBメモリを見つけます。
そしてその上で右クリックして新しく開いたメニューの中から「プロパティ」をクリックします。
※ちなみに以下の図は、説明するための図なので、不具合が起きたUSBメモリではありません。
5、初期設定では、上のタブが「全般」になっているはずなので「ポリシー」をクリックしてタブを切り替えます。
そして、「高パフォーマンス」にチェックを入れます
6、最後に下にある「OK」ボタンをクリックして設定を反映させて画面を閉じます。
設定変更後の注意事項
「クイック取り外し」から「高パフォーマンス」にチェックを入れた場合。
画面に書かれているように、USBメモリをPCから抜き取る場合には、「ハードウェアの安全な取り外し」を行わないと、USBメモリの作業中のデータが消えてしまう可能性もありますので注意して下さい。
ちなみに私は、PCに差し込んだ状態で使うことが多いUSBメモリは、「高パフォーマンス」にチェックを入れて使っています。また逆にPCから抜き差しすることが多いUSBメモリは「クイック取り外し」にチェックを入れて使っています。
同じUSBメモリで以下の2つのパターンを試してみました。
「クイック取り外し」にチェックを入れた場合
「高パフォーマンス」にチェックを入れた場合
上記のような結果になりました。今回の検証の場合、読み込み速度はやや遅くなりましたが、書き込み速度がかなり改善されました。
※USBメモリの速度は、測定するごとに、やや変動します。またPC環境などの違いによっても影響を受けることがあります。そのため今回、「高パフォーマンス」にチェックを入れての速度測定の結果では、書き込み速度がかなり改善されましたが、測定する条件によっては違う結果になることもあります。あくまでも参考程度にお考え下さい。
以前に比べてUSBメモリの転送速度があきらかに遅くなったときの対策方法は?
前章では、USBメモリの転送速度の一般的な改善方法について書きましたが、この章では、あきらかに以前に比べて転送速度が、かなり遅くなった場合の対処方法と考えられる原因を書いてみたいと思います。
※すべてのUSBメモリの転送速度が改善されるわけではありません。
正常に動作していた時や購入したときよりも明らかにUSBメモリの転送速度が落ちた場合は、以下のような原因が考えられます。
●USBメモリの接触が悪い
何年も使用しているUSBメモリの場合、PCなどに何度も抜き差していると先端の差込部分の接触が悪くなる場合があります。
これに関しては、接点復活剤などを利用するとよくなる場合があります。
ちなみに私は、呉工業の以下の製品を使っています
KURE(呉工業) コンタクトスプレー(300ml) 接点復活剤 1047 [HTRC2.1]
※使用する際は、自己責任で行って下さい。また必ずしも直るとは限りません。
●PC側のUSBポートの接触が悪い
USBメモリの転送速度が、遅くなったと思ったら、同じPCでも別のUSBポートに差し込んだり、別のPCで使ってみると以前と同じ速度が出る場合があります。その場合は、そのPCの特定のUSBポートの接触が悪くなっている可能性があります。
これに関しても接点復活剤などを利用するとよくなる場合があります。
※使用する際は、自己責任で行って下さい。また必ずしも直るとは限りません。
そのためUSBメモリの転送速度が遅くなったと思ったら、別のUSBポート、別のPCなどで使って試してみることをおすすめします。
●USBメモリが物理的に故障しかけている
物理的に故障している、もしくは故障しかけている場合は、元に戻すのは、極めて難しいと思われます。
まだUSBメモリがPCに認識されるのであれば、早急に中のデータのバックアップを取った方がいいでしょう。
●USBメモリの空き容量が少ない
USBメモリは、HDDと違って、ディスクがモーターで回転していません。SSDと同じような仕組みになっています。簡単に言えばどちらもフラッシュメモリが使われています。
そのためHDDと違ってフラッシュメモリが使われているUSBメモリの場合、空き容量がある程度少なくなるとパフォーマンスに影響が出てくる可能性があります。というのは、HDDとUSBメモリでは、データの書き込みに関して仕組みが異なるからです。
SSDでは、空き領域が20%を切るとパフォーマンスに影響が出てくるとも言われています。もし、ほとんど空き領域がないUSBメモリを使用している場合、転送速度が低下する可能性があります。
実際に私も試したことがあります!
まず、購入したばかりの空(使用領域0)の状態でUSBメモリの転送速度を測ります。それから使用領域を半分ほど使った同じUSBメモリの転送速度を比べたことがありますが、だいたい15%ほど書き込み速度が低下していました。ちなみに読み込み速度は以前とほとんど変わりませんでした。
※測定結果は、毎回やや変動します。また、その方の使用環境によっても違います。あくまでも参考程度として考えて下さい。
●USBメモリに不良セクタが発生している。
これに関しては、私も実際に経験があります。購入してから3ヶ月くらいのまだ新しいUSBメモリでした。
このことに関しては、次の章にまとめて書いてあります。
USBメモリの転送速度が以前に比べて極めて遅くなった場合は、上記のような原因が考えられると思います。
※上記の対策を行っても必ずしも直るとは限りません。
私の場合、最も効果があった方法!
USBメモリをクイックフォーマットもしくは完全フォーマットすると転送速度が元に戻りました!
まず結論から先に書きます!
USBメモリが遅くなったときの対策方法に関しての私の結論ですが、
物理的に破損していない場合は、USBメモリをクイックフォーマット、もしくは完全フォーマットすると直ることが多いです。
ただし、故障しがちになると、USBメモリをクイックフォーマット、もしくは完全フォーマットする頻度が増える可能性があります。そうなったら買い替え時期かもしれません。
私の場合は、USBメモリを購入してからしばらくは問題なく快適に使用できたのですが、3ヶ月くらいたってから、ある日、いきなり、転送速度が驚くほど遅くなっていることに気が付きました。
具体的に説明すると、書き込み速度が急に遅くなりました。クリスタルディスクインフォで測定してみると、読み込み速度は、以前とほぼ同じでしたが、書き込み速度が大幅に低下していました。
購入時の転送速度
3ヶ月くらいして急激に速度が低下したときの図は、スクリーンショットを何枚も撮っていたのですが、どうやっても速度が改善されないのであきらめて捨ててしまいました。しかしハッキリ記憶している部分もあります。
以下のような感じでした。
3か月後、いきなり転送速度が落ちた時
読み込み速度は、数回測定しましたが、以前とほとんど変わらず、だいたい150MB/s前後でした。
しかし書き込み速度は大きく低下して、数回測定しましたが、だいたい10~13MB/sでした。
書き込み速度13MB/sといえば、USB2.0の速度と変わりません。もちろん、USB3.0で接続されていることは、フリーソフトを使って確認しました。
それから何を試しても速度が元に戻らなくてあきらめかけていたのですが、最後の悪あがきで、USBメモリの大事なデータをバックアップしてから、USBメモリを通常フォーマットしてみました。
通常フォーマットの方法は、極めて簡単です。しかしクイックフォーマットに比べるとかなり時間がかかります。今回は、容量が512GBのUSBメモリを通常フォーマットしたので時間は、2~3時間くらいかかったと思います。
またフォーマットするとデータがすべて消えるので、事前のデータのバックアップにも時間がかなりかかりました。
通常フォーマットのやり方!
フォーマットするとすべてのデータが消えますので、事前に必ずデータのバックアップを取ります。
パソコンのデスクトップにあるPCのアイコンをダブルクリックします。
→フォーマットしたいUSBメモリの上で右クリックします。
→フォーマットをクリックします。
→フォーマットオプションで「クイックフォーマット」のチェックを外します。
→開始をクリックします。
通常フォーマット後のUSBメモリの転送速度
購入時と同じ速度までは戻りませんでしたが、何度か日を置いて速度を測定しましたが、書き込み速度が50MB/sを下回ることが無くなりましたので、とりあえず満足しています。
調子のよい時は以下のようなときもあります。
速度が出ない時でも以前のように書き込み速度が10MB/sというのはなくなりました。ただやはり、やや速度に波があります。
通常フォーマットする前に、色々な方法を試しました。中には一時的には、書き込み速度が、100近く出ることもありましたが、次の日には、30を下回ったりして安定していませんでした。
ただ、通常フォーマットを行った後は、割と安定して速度が出ているような気がします。
※すべてのUSBメモリがこの方法で速度が改善されるわけではありません。
クイックフォーマットは、非常に速くフォーマットできますが、不良セクタのチェックは行ってくれません。そこで今回は通常フォーマットを行ってみました。
ただ、新しくSSD、HDD、USBメモリなどを購入してフォーマットするときは、私は、常にクイックフォーマットでフォーマットしています。
どうしてもUSBメモリの転送速度が改善されない場合!
どの方法を行っても購入時と同じ転送速度が出ない場合、速度が戻らない場合は、潔くあきらめて、転送速度の速い高速モデルのUSBメモリを購入することをおすすめします!
転送速度が速い高速モデルのUSBメモリを使えばビジネスでもプライベートでも非常に効率が上がります。
例えば、私が最近、購入した以下の製品は、高速モデルで抜群のスピードが出ます。
上記の製品は、256GBですが、私の知らないうちに512GBモデルも発売されていました。
また、上記の製品は、USBtypeA(通常のUSB)ですが、現在、主流になりつつあるUSBtypeCとtypeAの両方が使えるタイプも発売されています。
ちなみに上記の製品をクリスタルディスクインフォで速度を測定してみると以下のようになりました。2.5インチのSSDと変わらない速度が出ました。ちょっと感動です。
またこの製品には、最近では採用が減っているアクセスランプが付いています。やや見づらい場所かもしれませんがブルーのライトがアクセス時に点滅します。アクセスランプの場所は、本体の後方にある紐を取り付けられる穴が開いている近くにあります。
さらに補足するとすれば、このUSBメモリは、いらないデータを削除した場合、一度PCのゴミ箱に入ります。そのためデータを間違って削除したときにデータを復旧しやすいと思います。
私が購入したときは、512GBタイプが、確かまだラインナップされていなかったと思います。今度購入するときは、512GBのタイプを購入したいと思っています。
それにしても高速モデルのUSBメモリの速度には驚きです。先程、速度の測定結果を表示したUSBメモリは、一般的なスタンダードタイプのUSBメモリですが、書き込み速度が、100MB/s出れば、かなり速いと思っていました。しかし、高速モデルは、書き込み速度が400MB/s以上出ます。
初めて高速モデルのUSBメモリでデータを移動したり、書き込みしたりしたときは、まるで異次元の速さだと思いました(笑)
ただ、高速モデルのUSBメモリの速さになれてしまうと、普通のUSBメモリの転送速度が物足りなく感じてしまいますね。まあ値段も違うので仕方のないことです。贅沢な悩みなのかもしれません(笑)