パソコンの調子が悪くなった場合、その原因が、システムドライブの物理的故障でない限り、パソコンのシステムドライブにある回復パーティションを使って、PCを回復させることができます。
しかし、PCのシステムドライブ(HDDやSSD)が寿命を迎え、破損してしまった場合は、新しいHDDやSSDに交換する必要があります。
その時は、どうやって新しいHDDやSSDにOS(Windows10)をクリーンインストールすればいいのか?
そんな疑問がわいてきます。
というのも、基本的に、メーカーで、販売されているパソコンには、OSのディスクが付属していないことがほとんどです。
最近では、パソコン専用ショップで販売されているBTOパソコンでさえ、Windows10のディスクが付属していない商品が増えいます。
以前は、OSのディスクが付属していたので、パソコンのHDDを取り換えたときは、付属のOSのディスクから新しいHDDにOSをインストールできたのですが、現在では、その方法がとれないことが多いです。
そんなときは、どうすればいいのか?
そんなときのために、Windows10では、回復ドライブを作成できる機能があります。
回復ドライブがあれば、現在使用しているPCに不具合が起きた場合、初期状態に戻すこともできますし、新しいまっさらなHDDやSSDにOSをインストールすることもできます。
PCを購入して、まだ作成していない方は、万が一のために、回復ドライブを作成しておくことをおすすめします。
目次
回復ドライブがあれば、システムドライブが壊れても新しいドライブにOSをインストールすることが可能!
現在、使用中のPC(Windows10)で回復ドライブを作成しておけば、現在使用しているシステムドライブ(HDDやSSD)が、もし壊れても、新しいHDDやSSDにOSをインストールすることができます。
まっさらな、何も入っていない、新しいHDDやSSDに交換しても回復ドライブさえあれば、OSをインストールできる仕組みに関しては!
PCのマザーボードに、Windows10の正規の所有者である情報が記録されているからです。
※そのため、マザーボードが故障して交換した場合は、回復ドライブが使用できなくなります。
その他にも!
回復ドライブの他にも、Windows10のインストールメディアがあれば、新しいHDDやSSDにWindows10をインストールすることができます。
Windows10のインストールメディアは、OSがWindows10のPCを所有している方なら誰でもマイクロソフトのサイトからダウンロードして作成が可能です。
回復ドライブとWindows10のインストールメディアの違いは?
回復ドライブは、作成したPCでしか使用できないのに対して、Windows10のインストールメディアは、Windows10を使用していたPCならば、どのPCにも使用できます。
しかし、OSをインストールをする場合、Windows10のインストールメディアの方が、やや、インストールの仕方が、複雑で、プロダクトキーなどが必要になってくる場合があります。
回復ドライブを作成する前の注意点
回復ドライブを作成する際には、いくつか注意点があります
●Windows7やWindows8、8.1からWindows10にアップグレードしたPCの場合、回復パーティションや回復ドライブからOSをインストールすると元のOS(Windows7、8、8.1)に戻ってしまう場合があります。事前に、メーカーの公式サイトで確かめる必要があります。
●回復ドライブは、回復ドライブを作成したPCにしか使用できません。
●回復ドライブの容量は、作成するPCによって違います。
●回復ドライブがあれば、新しいHDDやSSDにOSをインストールすることができますが、マザーボードを交換した場合は、OSをインストールすることができなくなります。
●システムドライブに回復パーティションがない場合は、回復ドライブを作成することができません。
これに関しては、次の章で説明しています。
回復ドライブの作成方法
回復ドライブを作成する前に、一応、システムドライブに回復パーティションが存在するかを調べた方がいいです。
というのは、システムドライブに回復パーティションが存在しない場合、回復ドライブを作成することができないからです。
※新しくPCを購入してから、システムドライブを交換していない、または意図的に、回復パーティションを削除していない限り、ほぼ、間違いなく、回復パーティションが存在するはずです。
PC(システムドライブ)に回復パーティションが存在するかを調べる方法
1、スタートボタンの上で右クリックします
2、「ディスクの管理」をクリックします
3、OSがインストールされているシステムドライブを探します。通常は、「ディスク0」と表示されている場合が多いです。
上記のように回復パーティションがあれば、回復ドライブを作成できます。
もし、「ディスクの管理」の画面で、システムドライブに、回復パーティションがなければ、回復ドライブを作成することはできません。
※システムドライブとは、OSがインストールされているドライブのことです
回復ドライブを作成するのに必要なものと事前準備!
●USBメモリが必要です。
容量は、作成するPCによって違うので、16~32GBのUSBメモリが必要になります。
二度手間を防ぐために、32GBのUSBメモリを使用することをお勧めします。
以前は、USB2.0のUSBメモリが推奨されていたが?
以前は、回復ドライブを作成する際は、USB2.0のUSBメモリを使用するか、もしくは、USB3.0のUSBメモリを使用した場合、USB2.0のUSBポートを使用しないと、エラーが起きるという話がありました。
しかし、現在、販売されているUSBメモリは、ほとんどが、USB3.0かUSB3.1で、USB2.0のUSBメモリに関しては、探すのが難しいほどです。また、PCのUSBポートも基本的に、現在においては、すべてUSB3.0の場合が多いです。
そのため、さすがに、その辺のことは、改善されていると思われます。
※Windows10は、非常にシステムが安定しています。そのため、私も回復ドライブを何度も作成したことがありますが、実際に使用する機会がありません。そのため上記の内容を100%保証することはできません。
しかし、他の方のブログで、USB3.0のUSBメモリで回復ドライブを作成して、OSをインストールしたという記事を読んだことがありますので、恐らく大丈夫だと思います。
もちろん、私もUSB3.0のUSBメモリで回復ドライブを作成しています。
●PCのスリープや休止機能を事前に無効にしておく
回復ドライブを作成するには、ある程度、時間がかかります。その間に、PCが「スリープ状態」「休止状態」などにならないように、PCの電源オプションで設定しておきましょう。
次の章で、この方法について説明しています。
●インターネットに接続する必要はありません。
インターネットに接続しなくても回復ドライブを作成できます。
●回復ドライブ作成にかかる時間
PCの環境によって作成時間、作成されるデータの容量が違います。
作成時間は、だいたい60~90分ぐらいが目安です。
●余談ですが、
回復ドライブを作成すると、そのUSBメモリは、FAT32でフォーマットされます。
すでに、USBメモリをNTFSにフォーマットしたUSBメモリも使用に問題ありません。
NTFSでフォーマットしたUSBメモリも使用できます。その代わり、出来上がった回復ドライブは、FAT32でフォーマットされます。
また、USBメモリの名前も「回復」という名前に自動で変更されます。
回復ドライブを作成する前に電源オプションで設定変更!
回復ドライブを作成する前に!
回復ドライブの作成には、ある程度、時間がかかりますので、作業中に、PCがスリープや、休止状態にならないように、「スリープ」「休止状態」の機能を一時的に無効化しておきます。
※すでに、PCの「スリープ」「休止状態」を無効化している方は、次の章へ進んでください。
1、スタートボタンの上で、右クリックします
2、「電源オプション」をクリックします
3、電源とスリープの画面が表示されます。
※下記の図は、ノートパソコンの場合です。デスクトップパソコンの場合は、内蔵バッテリーがないので、表示される項目の数が少ないです。
作業終了後、元に戻しやすいように、自分のPCの現在の設定をメモしておくか、スクリーンショットで記録しておくと便利です。
4、上記の図の赤枠部分をすべて「なし」に変更します。
↓
画面を閉じます。
回復ドライブを作成したら、元の設定に戻してください。
回復ドライブを作成する!
まず、作業を開始する前に、回復ドライブを作成するドライブを間違えないように、
必要のないUSBメモリや外付けHDDは、なるだけ外しておいた方がいいです。
1、タスクバーにある「スタートボタン」をクリックします
2、「Windows システムツール」をクリックします
Wの欄にありますので、かなり下までスクロールします。
3、次に「コントロールパネル」をクリックします
「コントロールパネル」は、他の設定の際にもよく使いますので、作業効率を上げたい方は、もしまだ、ピン留をしてない方は、「コントロールパネル」の表示の上(上記の赤枠部分)で右クリックして、「スタートにピン留する」をクリックすると、次回から、「コントロールパネル」の画面を開くのが簡単になります。
以下の図のように、ピン留をしておくと、スタートボタンをクリックすると、ピン留したメニューが表示され、その中の「コントロールパネル」をクリックすると簡単に「コントロールパネル」を開くことができます。
4、右上の表示方法が、「カテゴリ」なっているのを確認して、「システムとセキュリティ」をクリックします
※「カテゴリ」になっていない場合は、「カテゴリ」に切り替えてください。
5、次に「セキュリティとメンテナンス」をクリックします。
6、セキュリティとメンテナンスの画面が表示されますので、「回復(R)」をクリックします。
7、「回復」の画面が表示されますので、「回復ドライブの作成」をクリックします。
8、「回復ドライブの作成」画面が表示されますので、「システムファイルを回復ドライブにバックアップします。」にチェックが入っているのを確認して、「次へ」をクリックします。
9、「お待ちください」という画面がしばらく表示されます。
この画面は、PCの環境によって表示時間に違いがあります。長い場合は、5分以上、同じ画面が表示されることがあります。しばらく待ちましょう!
10、「USBフラッシュ ドライブの選択」の画面が表示されますので、「使用可能なドライブ」に間違いがないか、つまりは、回復ドライブを作成するドライブに間違いがないかを確認します。
間違いがなければ、「次へ」をクリックします。
上記の場合は、「ドライブは16GB以上のデータを格納できる必要があり・・・」と表示されていますが、PCによって、この容量は異なります。
11、「回復ドライブの作成」画面が表示され、注意事項が、表示されますので、確認したら、「作成」をクリックします。
12、あとは、作業が終わるのを待つだけです。
かかる時間や容量は、PCの環境によって、違います。だいたい60~90分くらいかかります。
13、「回復ドライブの準備ができました」と表示されたら作業が終了です。下にある「完了」をクリックします
大事なUSBメモリとなりますので、安全な取り外しで取り外した方がいいでしょう。
1、タスクバーの△に似たアイコンをクリックします。
2、USBメモリのアイコンをクリックします
3、「Deviceの取り出し」をクリックします
クリックする際は、回復ドライブを作成したドライブで間違いないかを確認してから行って下さい。
上記の画面は、写真がなかったので、違うUSBメモリを取り外しています。
実際に回復ドライブで安全な取り外しを行う際は、ドライブ名は、恐らく「回復」となっているはずです。
4、下のような画面が出れば、該当するUSBメモリをPCから外してOKです。
以上で、回復ドライブの作成は、完了です。
以後、大事なUSBメモリになる可能性がありますので、私は、USBメモリに、シールを貼って、そのシールに「デスクトップ用回復ドライブ」と書いて、すぐにわかるように保存しています。
補足事項!
システムドライブ(HDDやSSD)を新しいものに交換した場合、本当に、まっさらな状態の新しいHDDやSSDに、以前、作成した回復ドライブを使ってWindows10をインストールできるのか?
不安に思う方は、「回復ドライブ 新しいSSDにも使える」などで検索すると、実際に、新しいSSDやHDDにOSをインストールした方の話を読むことができると思います。